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ビジネスの使命感(中堅社員編7) [ライフプラン]

前回(中堅社員編6)では、中堅社員に求められる職責の範囲が広くなっていること、この期待が中堅層に重くのしかかり、ルーティーンの仕事はこなさなければならないし、担当業務で成果や業績を上げなければならないし、管理職に代わって部下の指導も行わなければならないとなると、最悪の場合、メンタル不全に陥るのではないかとの懸念を書いた。よく言えば、成長のスピードを上げられるとも言えるが、後輩指導・人材育成の部分で見ると果たしてそうだろうか? 指導・育成には、その後輩のキャリアに対する責任を負うのである。会社は、中堅社員に対し、そこまでの覚悟を持たせているのだろうか?

前回引用した産能大調査(出典:2009年5月調査 産業能率大学「企業における中堅社員の現状に関する調査(企業の人事担当者対象) 」 http://www.sanno.ac.jp/research/chuken.html
)では、「後輩を計画的に指導育成する」ことが中堅層に求められているとのレポートを紹介したが(詳細はビジネスの使命感(中堅社員編6)を参照願いたい http://salaryman-hiro.blog.so-net.ne.jp/2015-11-22 )、後輩の面倒を見ることと指導育成することとは、根本的に異なることを理解して頂きたい。

「面倒を見る」とは、職責を負わないし、従って会社からの責任追及は求められない。飲みに連れて行き愚痴を聞いたり(生産的とは言えないが)、実家を離れて生活している一人暮らしの後輩などを休日にドライブや釣りに行きリフレッシュさせたり、昼食を一緒に撮り孤立化させないなど、いわゆるチーム形成するためのインフォーマルな人間関係構築に役立って欲しいとの期待ではないだろうか?

この面倒見だけでも、結構、難しい課題であると考えており、表向き仕事ではないから出費すれば自己負担だし、休日などを使えば自分の時間も犠牲にしなければならない。この一方で、会社からは「自己啓発」が要求される。後輩の面倒見で時間が取られ、自己啓発も行わなければならない。成長するためには、自分の能力よりも難しい課題が必要ではあるが、時間もお金も限られているなかで、「面倒を見る」だけでも大変なのである。

加えて、以前のように、毎年、新入社員が入ってくる状況ではないだろうし、5〜10年間、中途入社を含め、新人がゼロという企業も珍しくないため、いわゆる、ジェネレーション(世代間)ギャップの問題も起こるだろう。大学を卒業し22〜23歳くらいの若者と30歳位の中堅が、休日を共にするだろうか? 中堅社員も結婚されている方もおり家族サービスも必要だし、未婚者も異性とのおつきあいや婚活に忙しい方も多いと思う。高度成長期の日本のような、「家族的つきあい」を企業風土として求めるならば、あるいは、このレベルまで行かなくとも、部活動のような先輩後輩の人間関係を求めるならば、会社は、それなりの仕掛け・施策が必要である。

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私は、家族的つきあいや先輩後輩の人間関係を否定はしない。むしろ、経営が必要な人事施策であると位置づけるならば、積極的に活用すべきである。
昨今、人間関係の希薄さが危惧され、社会的に見れば、犯罪の増加につながったり地域文化などが崩壊したりなど、また企業にとっては、人材の流出やモチベーションや求心力の維持が難しくなるなど、私自身は、この希薄さがもたらす負の影響はかなり大きいと考えている。

社会も企業も、物質的な豊かさを手にいれた時代背景の変化のなかで、「人間関係の構築」を模索してこなかった代償が表れているのではないだろうか?

ビジネスの使命感(中堅社員編7) [ライフプラン]

中堅社員編とは、どれくらいの経験や勤めた社員を指すのだろうか? 「中堅」を指す範囲がかなり広いと思われ、個人的見解であるが、入社3〜4年を経過すると、中堅と期待されるのではないだろうか? この Blogの場合は、新人若手/中堅/ベテラン/管理職/役員の5段階でキャリアを考え、新人若手〜ベテランまでを、いわゆる一般社員(非管理職)ととらえていきたい。

さて、入社して5年くらいになると「中堅社員」として期待される存在になると思うが、産業能率大学が、少し古いが、2009年5月に興味深い調査を行ったので、ご紹介したい。

<出典:産業能率大学「企業における中堅社員の現状に関する調査(企業の人事担当者対象) 」>
http://www.sanno.ac.jp/research/chuken.html

この調査によると、「中堅社員」とは入社5~10年、20代後半から30代前半の社員とし、企業が中堅社員に求める役割は、「職場の後輩を計画的に指導・育成する(後輩の育成)」が72.5%と最多で、他には「自業務の改善」や「職場の活性化」などを求めているとの結果である。

結構勝手なことを言っている感じがするが、この記事をお読み頂いている方々は、どのように感じられたであろうか? ぜひコメントを頂きたいと思う。

このレポートには、「階層のフラット化や就職氷河期の採用絞込みによるいびつな人員構成など、組織環境が変化したことで、中堅社員に求められる役割は幅広くなっているようです。(調査レポート引用)」と書かれているが、本来、後輩を計画的に指導・育成するのは管理職の職責であり、中堅管理職に求められるのは、管理職をサポートすることであり、ワポートしていく過程で「人を育てる」とはどういうことなのかを学んでいくのである。

指導・育成への期待だけならまだしも、「計画的に」を期待するとは、この回答をした人事担当者は、どういった考え方などで経営者や管理職を支えているのかが不思議である。

昨今、一つの会社で新入社員から定年退職までを勤め上げるサラリーマンが減ってきていると思うが、一方で、巷で言われる(都市伝説みたいなものではないだろうか?)中途採用の年齢上限が35歳とも40歳とも指摘され、中堅層の雇用の流動化が進むなかで、この調査レポートのように、中堅社員に求める役割を広げすぎて良いのだろうか?

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メンタルヘルスの重要性が叫ばれ、メンタル疾患になる社会人が増加し職場復帰も難しくなる中堅社員以上が増える状況に加え、少子高齢化で中堅層として働く人口が減少していく社会情勢下では、どこかの層に負担をかけてはいけないと考えるのは、私だけだろうか?

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ビジネスの使命感(中堅社員編6) [ライフプラン]

製造業に勤めていながら人事の仕事しかしていなかった私に、物流の研究をしたこと、研究の内容だけではなく、研究をしたことの経験が、その後のキャリア形成に大きな影響を与えた。それまでは、人事部署に配属され定年退職するまで、諸先輩方がそうであったように、人事総務関連の仕事を続けることになるのだろうと漠然と考えていた。

しかしながら、物流を学んだことは、なぜ製造業に就職したのかを改めて考えることになり、「ものづくり」に携わり、尽力し、日本の経済発展を支え貢献するためにこの会社に入ったのだと認識する経験になったのである。このことを再認識したことは非常に大切だったと、今でも痛感しており、異動を通告した上司に(中堅社員編5を参照願いたい http://salaryman-hiro.blog.so-net.ne.jp/2015-11-20-1 )、私は感謝しなければならないかもしれない。

改めて、ものづくりの奥の深さや楽しさ、複雑に絡み合う物流工程や関連ビジネスとの関わりなど、非常に多くのことが存在することに気づいたのであるが、この物流を経験させてもらった上司に気に入られ、この上司が別の事業所へ異動になると、約半年後に、上司の異動先へ転勤することになる。捨てる神あれば、拾う神ありである。

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この時に、人学んだのは、腐ったりふてくされたりしてはいけないということだ。良きにつけ悪しきにつけ、結果を招いた原因や責任は、少なからず自分自身にある。意に介さない業務命令だったり、私のように異動通告を受けたりしたその場では、ショックを受けたり猛烈な怒りを覚えることは致し方ないが、この感情を引きずってはいけない。くよくよしても、元には戻らないのであるから、どうやってこの難局を抜け出すか、今の状況をプラスに変えられないかなど、前に進むことが重要だ。

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このような窮地に陥った場合、ネガティブに考えて状況が進展することなど、まずあり得ない。むそろ、怒りに任せて人のせいにしてしまうと、悪口を流布しているとみなされ、ますます窮地に陥ってしまう。最低限の自己弁護をしたとしても、ネガティブ発言を連発してはいけない。「今」を受け入れてポジティブ思考になり、前を向いて置かれた状況を打破することだけを考えれば良いのである。
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ビジネスの使命感(中堅社員編5) [ライフプラン]

入社して8年目だったろうか、上司に逆らったことが原因(と思われる)で飛ばされた。左遷というほどではなかったが、情熱を持ち、採用に関する知識を学び、人脈も広げつつある段階で異動となった。

異動と言われた時はショックで、会社を辞めようかとも思ったが、関係部署の先輩たちからは、無茶をするなと止められて、なんとか思いとどまったものだが、実は、思いとどまったことで、次のキャリアが開けたので、サラリーマン人生は分からないものである。とどまるように忠告して頂いた諸先輩方には、感謝の意を表してもし尽くせないほど、恩義を感じている。この時のご忠告に従わなければ、今の自分はなかっただろうし、どのようなキャリアや人生を歩んでいたのか、想像もつかない。

異動先では、これまでの業務とは異なり、面白い経験を(実務をしたわけではなかったが)した。製造業の会社だが、Logisticsの研究をしたのである。今でこそ、Logisticsは製造業のみならず、流通業や商社までもが経営課題の柱に据えて、日々改善を図り、他社に負けないLogistics網を築こうとしているが、当時は、Logistics=兵站と訳されており、戦争時の兵士・兵器・弾薬や食料などの物資を前線に供給することを言われており、かなり狭い意味での物流と解されていた時代である。

詳しくは書けないが、原材料から製品を完成させるまでのプロセスに関する物流と、製品を開発する際に、効率的な物流を考慮した製品開発を目指す、製品開発プロジェクトの時間軸に関するものと、二つを研究したのである(勉強させてもらったと言ったほうが適切かもしれない)。

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この時は、当時の物流(プロセスと開発時間軸両方)の現状把握を行い、どこの問題があるのか、ライバルはどのように物流を行っているのかなど、今で言うベンチマークも行い、こうあるべきではないかとの提案資料も作成した。残念ながら、当時は日の目を見なかったが、その時に一緒に研究活動をした諸先輩方は、その後出世され物流の生き字引となられておられる。

この時の経験がなければ、その後、製造業の会社に勤めていながら、「ものづくり」の実務に関わろうというキャリア志向は、考えもしなかったと思う。異動させられたことで、キャリアの幅が広がったのである。
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ビジネスの使命感(中堅社員編4) [ライフプラン]

本日(2015年11月20日)の日経Web版によれば、10月1日時点の大卒の内定率が66.5%だったと報道された。前年同期比で1.9%の低下で、5年ぶりの低下と報じられた。売り手市場なのに低下した理由として、選考開始を4ヶ月遅らせたことが挙げられているが、これも、勝手な大人達に振り回された結果なのではないだろうか?

私の就職活動は、記憶が薄れているが、前期試験前後の7月頃から始まり、10月に内定式があったと思う。今と、あまり変わらないのであるが、受けた企業も5社前後で、今のように数十社に応募することもなかった。もっとも、PCもインターネットもなかった時代なので、数十社へ応募するということは、数十枚の応募葉書を書いて郵送することを意味しており、卒論の準備や原稿を書き始めたり、学生時代最後の夏休みを謳歌するため、そんなに書く時間もないし、早く決めたいとの思いが強く、先輩訪問を中心に活動していた記憶がある。友人達も10社応募すれば「そんなに!?」と言っていた時代だったので、古き良き時代だったのかもしれない。

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さて、採用に関する記事が長すぎたたかもしれないが、採用の仕事に携わったのは1年半ほどだったものの、この時は激務のうえにキャリアを描き始めた時期でもあり、加えて上司に対し逆らってしまったので、ある意味で、自分自身のキャリアの曲がり角だったかもしれない。 私自身は仕事にのめり込むタイプなので、夜遅くまで、ピークには土日も休まず働いていたが、上司はセーブするように指示してきたのである。

今と違い、サービス残業が当たり前の時代だったので、50〜60時間以上残業しても10時間くらいしか申請しなかった時代であり、未だに、なぜ、こんな指示をされたのかが理解できない。一生懸命働けという指示なら、心の中ではムッとしながらも「すみません、頑張ります」と返すところであるが、働くなと言われて、どうすればよかったのであろうか? 「ありがとうございます」と言って、そこそこ働いて定時で帰ってしまえばよかったのであろうか? 
(なお、この上司の方は、別の部署で役員にまで上り詰めたが、結果を残せず、1年で退任してしまった)

この時代(入社して6〜7年目の頃)に学んだのは、価値観の異なる上司がいるということと、そうした場合の対処の仕方(逆らうのではなく上司の真意を聞き、不本意でも感謝の意を表すなど)だったと思う。

ビジネスの使命感(中堅社員編3) [ライフプラン]

前回は、採用面接、いわゆる新卒採用時の面接、これは大学などを卒業と同時に就職する際の面接で日本独特のものとされるが、応募する職務内容に対する知識や経験もなく、筆記試験や面接だけで、なぜ採用するのか、考えたことがあるだろうか? 私自身も、こういったシステムで採用されたのだが、中堅社員となり、高卒の現場作業職と大卒(院)卒の事務職の採用を経験した際、日本の採用システムだから何の疑問も持たずに仕事をこなしていた。

昨今は、インターンシップと称して事実上の選考を行うようなので、仕事への取り組み方、感情の起伏、理解度、誠実さ、スピード感などが、1週間も一緒に働くとある程度は分かってしまうが、それでも成長性は判断できない。

なぜ、日本の採用システムは新卒採用にこだわるのだろうか? 

いくつかの要因があるが、歴史的に見ると高度成長期の時代に、「金の卵」と称された地方から大都市圏・大工業地域への中学卒業者などを大量に採用した集団就職が根底にあるのではないだろうか? 大量に採用し、育成する仕組みが発達してきたことで、日本の企業は労働力不足を解消してきたのであるし、このシステムが、学歴が高度化により、高卒→大卒と進化してきたのではないだろうか。

<集団就職場面>
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加えて、昨今騒がれている少子高齢化である。

労働人口の減少は防ぎようもなく、日本は移民政策にも消極的なので、企業の成長を図る上では、若手を抱えておくことは至上命題なのである。

話が逸れてしまったが、歴史的に見て、また如何ともしがたい社会現象などの影響により、新卒を採用し育てることは、日本の企業(特に歴史ある大手企業)のシステムとして組み込まれており、永続的に続くのではないだろうか?

新社会人となる若手や経営者の方々は、若手を採用し長期にわたって育てることは、企業の永続的発展にとって、必要不可欠なシステムであり、このシステムを継続して維持改善することは、重要な経営課題であることを認識しなければならないと思う。

私が採用の仕事に関わったバブル期以降、大量採用したかと思えば、その後の景気後退や長らく続いたデフレ時代には、採用を全くしない大手企業が多々存在したり、決算用の利益を出さなければならないなどを理由に、採用→育成のシステムを混乱させているとしか思えない。

企業も、このような対応で経営者も人事担当もポリシーや使命感などを持って仕事をしているとは思えないので、学生の皆さんも、このような大人達を相手にしているのだから、採用面接で一喜一憂するのではなく、どのような社会人として成長したいのか、きちんと考えて面接に臨んでほしい。
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ビジネスの使命感(中堅社員編2) [ライフプラン]

前回に続き、採用面接の話題を続けたいと思う。

よく、面接で失敗したというコメントを耳にするが、失敗とはどういうことを指すのかを考えたほうがいいと思う。採用面接の場合、売り手市場か買い手市場かによって、面接の質量の機会(例えば、有名どころの大企業が希望だとしたら、何人くらいを募集しているのか?など)は左右されるかもしれないが、元々、倍率の高い企業を受けようとしているならば、10社受けて1社でも内定をもらえれば御の字である。つまり、この場合、9社は失敗なのである。

面接=コミュニケーションなので、あまり硬くなる必要はない。大学入学時に、あるいは、研究室やゼミに入った時のことを思い出してほしい。「自分を知ってほしい」とか、「相手はどういう人なんだろう」と単純に考えたのではないだろうか? 見ず知らずの人とファーストコンタクトをする時に、失敗することをイメージするだろうか? いや、この場合の失敗って何だろうか? 嫌われることだろうか? 多分、人格的な欠陥がない限り、初対面の人に嫌われる態度をとる人はいないのではないだろうか。

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面接も同じである。受験と違い、交通費は発生するが、受験料などはないのだから、何度失敗しても構わないくらいのつもりで臨んだほうがいい。大きく言えば、ポイントは2つしかない。

・自分はこんなことをやりたい、こういう社会人になりたい・成長したい、このようなキャリアを描いている、など、自分を知ってほしいとの思い(想い)
・面接官であるコミュニケーションの相手が、何を知りたいと考えているのかを傾聴し回答すること

である。これを外してしまったらば、「失敗」である。いや失敗は、自ら(自分自身で)事前に仕組んでしまったことになる。細かいテクニックを教える塾みたいな組織やノウハウ本が流通しているが、基本はこれだけであり、あとは誠実にスピーディに応えるしかなく、下手な小細工をすると、「中堅社員編1」で述べたように、面接官に見抜かれてしまう。相手は百戦錬磨であり、しかも応募者が多いと、オートメーション的に流されてしまい、取り繕った瞬間に、話が嘘だと感じてしまえば、そこでおしまいである。

小細工せず、上記2点を外さず、誠実にスピーディにコミュニケーションをとることを心がけることが重要だ。
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ビジネスの使命感(中堅社員編1) [ライフプラン]

今では即戦力が求められ、新卒も職種別で採用する企業が増えているので、当時とは状況が異なると思うが、入社して5年を過ぎ6年目頃から中堅社員として仕事をこなし成果をあげることへの期待が高まり、それなりのタスクを与えられるようになったと思う。

この頃は新卒採用(大卒事務系と高卒工場現場系)業務を担当していたが、バブル期とも重なり、大卒採用などはまさにバブルそのもの。銀行や証券系は、内々定を出すといわゆる囲い込みを行うため、なかには海外へ連れて行ってしまう会社も現れたほどだ。当時、この囲い込みに対抗するため、予算の少なかった私の部署では、田舎町へ誘い込み1週間から10日ほど、学生たちと過ごした記憶がある。私一人が相手にするのだから、また田舎町なので、とにかくやることがない環境下で、いかに飽きさせないかを考えたのである。

この時の経験が、後に、人を見る目を養ったり、優秀な学生が必ずしも成長しないことなど、多くのことを学んだのではないかと思う。いくつか解説してみよう。

人を見る目とは、企業で働く人材を採用する訳なので、成長性・協調性(当時はこれが最優先だった)・根気強さ・誠実さ・頭の良さ・スピード感など、求められる要素は多々あるが、成長性を除けば(60歳定年退職まで40年近く働くので、20年後・30年後を予測することは不可能)、顔の表情、文字の書き方、話し方など、数時間見れば、大体、どのようなタイプなのかを識別できるようになった。当たっていない恐れもあるものの、人物評を述べることができるようにはなったのである。

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当時は、ワープロなどもなく、履歴書は手書きだったので、文字と写真を見れば、面接前におおよその想像はつけ、その想像していたことを確かめるため、どのような質問しようか、事前に考えていたのである。大卒・大学院卒の場合、ありきたりの志望動機や専門分野、また学校で何に打ち込んでいたのかを一通り聞いた後、自分の性格を長所・短所で述べさせ、なぜそう考えるのか、事例に基づいた根拠も述べさせるのである。多くの学生は、自分を売り込みたいので、多くを語るのであるが、なかには喋りが得意ではない学生もおり、ポツンとしか言わない場合は、「もう少し具体例を」と何度も問いかけることで、面接官である私は、多くの情報を得るのだ。

誠実か頭のいい学生は、こうした根拠が明確で、なるほどと思わせる事実がいくつも出てくる。逆に、自分自身をよく見せようとしか考えていない学生は、質問攻めにするとボロが出る。要は、自分自身に正直になればいいのである。
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ビジネスの使命感(新人キャリア編4) [ライフプラン]

新人時代の迷走したキャリア形成について、自分自身、どんなに時間を無駄にしたのか、反省することは尽きないのであるが、もう少し、振り返ってみたい。

サラリーマンとして生き残ることの醜さを知った5年間であったが、唯一、自分自身が成長したと感じた時期があった。

販売を経験し、延長することなく復職してから半年ほど立った時期であろうか、入社して4年が経過した頃である。それまでは、新入社員教育やその後の集合教育など、お決まりの教育委が、ろくに教育を受けたことのない私が、はじめて特別に教育を受けた! それも、25万円以上(と記憶しているが)もする教育で、労働法を弁護士の指導のもと、少人数(10人弱と記憶)で、約半年ほど、講義とケーススタディで徹底的に学ぶというものである。

25年以上前の25万円は、大卒初任給の約2倍程なので、今なら、45万円程の教育である。これを(当時の会社から)一人だけ人選されて受講したので、これは真面目に勉強しなければならないと思い、また、このとき勉強した知識などが、その後のキャリアに大いに役立ったのである。

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この労働法の知識:労働基準法・労働組合法・民法の契約論などをベースに、弁護士との付き合い方(やみくもに弁護士の言う通りに従うのではなく、論議し、お互いの意見をぶつけ理解し合うことが重要)も会得できたと思う。また、社員や労組からの問い合わせにも、法律や就業規則などの根拠をもとに、論理的に回答を示すことができるようになったのも、遅いかもしれないが、この頃からである。

こうして、学ぶことの重要性を肌で感じ、知識を学び蓄積し、これを実務で使うことの繰り返しを行うことで、以降のキャリアが積み上げられていくのであるが、まだ、この時は、キャリア形成を意識することも、ビジネスに使命が必要なことも、理解している訳ではなかったのである。

ビジネスの使命感(新人キャリア編3) [ライフプラン]

新人キャリア編2の最後では、会社内のパワーバランスが激変したところで終わったが、どういうことなのかを説明したい。

実は、出向に出る前は、労働組合がとても強く、労使協調とは名ばかりで、経営の根幹に関わるところにまで労組の承諾・拒否権が及んでおり、人事に関わる役職任命や異動などだけではなく、中長期の事業戦略に関わる内容にまで、労組の承諾が必要な会社であった。
新人君の私は(もちろん組合員)、労組の提案に対し質問をしたところ、同じ課の先輩に個室へ呼び出され、
「なぜ、あんな質問をするのか?」
「組合をなんだと思っているのか?」
など、今でいえば、パワハラに相当するほどの仕打ちを受けた。

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思い出したが、新入社員教育が終わり、配属された際も、所感文に書いた(当時は手書きレポートであった)「を」の字が読めないと、オフィスの響き渡るように、当時の課長に1時間くらい怒られたこともある。パワハラが当たり前の時代だったのであり、よく言えば、これが訓練となり、精神的強さを鍛えられたとも言えるが、単なる腹いせとも受け取れる。
(私自身は、後者だったと思う)

さて話を戻そう。

出向前には、社員のほぼ全員が労組の考え方に立った思考・態度だったのに、出向から戻ってみると、真逆の状態となり、労組側に立った社員たち(管理職も平社員も)は、干されてしまったのである。

あの、私を罵倒した先輩社員も、「今の労組はおかしい。組合は正常化すべきだ。」などと言う始末である。この時期、正直言うと、私は人間不信に陥ってしまった。この先輩もサラリーマンだから仕方ないのかもしれないが、当時、個室に呼び出されたときは、2時間以上も説教され、終わりそうもないので、嘘泣きして許してもらったほどである。

入社5年ほどは、このような激動の時期を過ごしてしまい、自身のキャリアに役立った部分といえば、セールス活動で人見知りが、少し減った程度であろうか・・・。

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