ビジネスの使命感(中堅社員編5) [ライフプラン]
入社して8年目だったろうか、上司に逆らったことが原因(と思われる)で飛ばされた。左遷というほどではなかったが、情熱を持ち、採用に関する知識を学び、人脈も広げつつある段階で異動となった。
異動と言われた時はショックで、会社を辞めようかとも思ったが、関係部署の先輩たちからは、無茶をするなと止められて、なんとか思いとどまったものだが、実は、思いとどまったことで、次のキャリアが開けたので、サラリーマン人生は分からないものである。とどまるように忠告して頂いた諸先輩方には、感謝の意を表してもし尽くせないほど、恩義を感じている。この時のご忠告に従わなければ、今の自分はなかっただろうし、どのようなキャリアや人生を歩んでいたのか、想像もつかない。
異動先では、これまでの業務とは異なり、面白い経験を(実務をしたわけではなかったが)した。製造業の会社だが、Logisticsの研究をしたのである。今でこそ、Logisticsは製造業のみならず、流通業や商社までもが経営課題の柱に据えて、日々改善を図り、他社に負けないLogistics網を築こうとしているが、当時は、Logistics=兵站と訳されており、戦争時の兵士・兵器・弾薬や食料などの物資を前線に供給することを言われており、かなり狭い意味での物流と解されていた時代である。
詳しくは書けないが、原材料から製品を完成させるまでのプロセスに関する物流と、製品を開発する際に、効率的な物流を考慮した製品開発を目指す、製品開発プロジェクトの時間軸に関するものと、二つを研究したのである(勉強させてもらったと言ったほうが適切かもしれない)。
この時は、当時の物流(プロセスと開発時間軸両方)の現状把握を行い、どこの問題があるのか、ライバルはどのように物流を行っているのかなど、今で言うベンチマークも行い、こうあるべきではないかとの提案資料も作成した。残念ながら、当時は日の目を見なかったが、その時に一緒に研究活動をした諸先輩方は、その後出世され物流の生き字引となられておられる。
この時の経験がなければ、その後、製造業の会社に勤めていながら、「ものづくり」の実務に関わろうというキャリア志向は、考えもしなかったと思う。異動させられたことで、キャリアの幅が広がったのである。
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