ビジネスの使命感(中堅社員編11) [ライフプラン]
中堅社員の後輩の面倒見について、前回では、「後輩の話を聞き。気を抜いてほっとさせる場」を作ることの重要性を述べたが、補足しよう。
仕事をしていると、楽しい時もあるが全て上手く行く訳ではないので、どうしてもギスギスする場面が出てくる。友達・家族や恋人でも、いつもニコニコしていることはないだろうし、怒りをぶつけて激しく喧嘩する場面もあるのと同様、いや、仕事関係や職場では、喧嘩するほどの論議になることは稀であるので、感情がぶつけ合えないから内心おもしろく思わないから、ギスギスしたり険悪な雰囲気になったりするのである。なかには、挨拶をしても無視、提案書は理由なく却下し罵倒される、訳わからず怒られる、などのパワーハラスメントの塊のような社員もいる。これ、それほど珍しくはなく、管理職層でも存在するので、困ったことになるのである。
こういった社員が一人でもいると、その部署の社員個々人だけでなく、組織そのものが成長せず、成果・業績も、短期的には達成できても、向上しなくなってしまい、パワハラを受け続けた社員は、メンタル疾患になったり退職をしたり、その組織・職場がチームとして成立しなくなるのである。仕事は、一人で成果を上げることは難しく、組織の上に行けば行くほどチームを機能させることが重要であり、まるでサッカーや野球などのチームスポーツ競技のようである。スポーツならば、補欠要員から交代が聞いたりするが、仕事のチームは、すぐには補充が効かない。数万人規模の大会社でも、組織によっては中途採用を待たなければならず、残されたメンバーで仕事を分担しなければならなくなり、残ったメンバーから疾患や退職が出るという負の連鎖が起きてしまうことも少なくない。
こういった時に、面倒見の良い中堅社員がいると救われるのである。あまり生産的ではなく継続することはお勧めできないかもしれないが、酒でも飲みながら愚痴を言い合うだけでもガス抜きになるし、困った場合の相談役的お兄さんになれればベストであるが、無理することはない、自然体で中堅社員それぞれの人間性や個性で対応すれば良いと思う。無理をすれば、その中堅社員が疲れ果てて疾患や退職を考えるようになってしまう。
経営者や管理職も、この「チームビルディング」を重要視したほうがよく、スポーツ競技同様、素晴らしいチームは期待以上の成果をあげるので、ポケットマネーや会社経費で、レクリエーションや飲みに行く費用を、適度な範囲で援助していいのではないだろうか? その社員を支えているのは、ご家族の貢献も大きいので、ご家族への感謝の念を表すことを忘れてはならない。決して昭和の時代の日本的経営を推奨しているわけではないが、人が働いて稼ぐのは、個々人の頑張りだけではなく、関わっている方々全てが支え合っている訳で、社員だけを見るか、その周りの方々にも目をむけるかの違いである。欧米でも会社のパーティに家族を呼ぶ会社も珍しくないと聞くが、成果主義の国でも、いや競争の厳しい成果主義の国だからこそ、勝ち残った社員を大切にし、その社員を支える家族にも感謝の意を表していると思う。
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