ビジネスの使命感(中堅社員編10) [ライフプラン]
前回ブログでは、中堅社員が担う役割についての概要を触れたが、もう少し深掘りしてみよう。
決められた育成プログラムは、多くの場合、精緻に作られたものではなく、管理職からは、「大体このくらいの仕事ができるようになるように育てて欲しい」といった、大まかで曖昧な指示がされること多く、しかも日程が決められていない場合がほとんではないだろうか。中堅社員くらいまでは、私と違い、上司に逆らうことはしない・できないであろうから、真面目に考え込んでしまうことだろう。
「どうやって、後輩を育てていこうか??」と。
繰り返すが、育てるのではなく、前回述べた通り面倒を見ればいいのである。
中堅社員が先輩として教えるのは、仕事の内容、手順、その仕事が前後工程に与える影響、顧客特性、など多岐に渡ると思うが、学校の講義ではないので、自分の仕事もこなさなければならず、従って順序立てて教えることは難しいし、OJTとして、その場面ごとに教えるしかない。当然、一度で覚えられない仕事も多いから、繰り返し教えることになるし、聞かれたら答えなければならない。
昭和の時代は、中堅社員の業務負荷を若干減らして、後輩指導にあてられた会社もあったが、この競争が厳しい時代では、このような余裕もあるはずはなく、OJTを繰り返して仕込むしかない。中堅社員も後輩社員も、自分でなんとかするしかないので、昔に比べると厳しくなったと思うが、でも良く考えて欲しい。教えてもらわなければ仕事ができないなんて、ビジネスの世界では通じないのではないだろうか? 学校のテストではないのだから、「教えてもらう」ことを当然のこととしてはいけないのであり、社員一人ひとりが自分の頭で考えて、必要ならば自分で教育訓練を探し、受講するくらいの気構えでないと成長しないと思う。逆説的に聞こえるかもしれないが、会社や管理職が準備する育成プログラムは、その仕事に必要な最低限の知識を習得させることくらいで、あとは、自分で覚えこむしかない。
これは、よく言われるが、自転車に乗れるようになることと等しい。自転車に乗れるようになるのも、最初は、親や兄弟、友人に支えられながら、フラフラしながら乗るが、バランスをとれるようになるためには、自分で感覚をつかむしかないように、仕事も、自分で何度も失敗しながらビジネス感覚を磨いていくしかないのである。ただ、何度も失敗していると嫌気がさしてくるので、自信を喪失し、メンタル不全になったり、この仕事に向いていないと思い込み、退職を考えたりしてしまうことを防がなければならない。
誰もが失敗はいやであるが、ビジネスの世界では、特にセールス活動を担う場合は、この失敗を乗り越えないと仕事にならないし成長もしないので、「心の支え」「ガス抜き」「ストレス発散」などのインフォーマルな施策が必要なのであるが、中堅社員にはこのインフォーマルなコミュニケーションを図ることで、後輩が沈み込むのを防いで欲しいのである。
難しく考えることはない。いわゆる友達付き合いをしてもらえばいいのである。
タバコを吸う方なら(最近は喫煙エリアが設置されているので)タバコ部屋などに誘い、お茶をしながら、ランチをとりながら、雑談して、飲みに行く約束でも、昨日のバラエティの話題で笑うのもいい。黙って黙々と仕事をこなすのだけではなく、仕事の指導だけに終わるのではなく、くだらない・たわいもない話でもいいので、気を抜いてほっとさせる場を設けるのである。
飲みに行けば、プライベートな話題もでるだろうし、共通の趣味も見つかるかもしれない、意気投合するかもしれない。いや、意気投合しなくとも話し合えばいいし、分かり合おうとする姿勢があればいい。顧客と接するのと違い、失敗しても険悪な雰囲気にさえならなければ、いろいろな話題で知り合えればいいのである。新人も後輩も、「知ってもらった」ことで安心するのである。
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