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ビジネスの使命感(中堅社員編8) [ライフプラン]

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前回(中級社員編7 http://salaryman-hiro.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23 )では、会社内での「人間関係構築」について触れ、人事担当が中堅社員に求める役割の中で「後輩を計画的に指導・育成する」ことが最も多いことに対する論評を掲載したが、今回は、会社が人間関係構築に対し、どのような考え方でのぞんだらいいのか、中堅社員を育てるといった見地から考えてみたい。(施策については、次回以降で掲載する予定である)

そもそも、計画的に指導・育成するのは管理職の職責であり、中堅社員にその責任を持たせるには、役割上も、また時間的・金銭的制約などから無理があるが、役割の一端、例えば、後輩の面倒見を担わせ、「面倒を見る」ことの重要性をOJT(On the Job Training)で学ばせることは、その後のキャリア形成に大いに役立つと思う。人の面倒を見たことがない人物が管理職や経営者に就任し、育成やキャリアに対する責任を果たすことは難しいと考えるからである。

人と接するのは難しい。良かれと思ってやったことが、その本人にとってみると、全く逆に悪意を持ってやり込められたと感じてしまうこともあるし、何気ない一言が傷つけてしまうこともある。これがコミュニケーションの難しさである。
ましてや、育成やキャリアに対する責任を負うとなると、対象者たちの志向・思考や感情を理解し、指導の結果がもたらす影響(対象者本人だけではなく家族などへの影響も含め)を相談し、仮に厳しい試練が待ち受けているならば、正直に説明する誠実さが求められ、対象者本人と会社とのバランスを図りながらコミュニケーションを進めなければならない。

経営者や管理職の方々は、こういったことは、頭ではわかっているが、その場面になると気づかないことが多いので、パワーハラスメントなどの問題が着目されるのではないだろうか? 

社会的背景として、少子高齢化が進むなか、兄弟も少なく、祖父母からちやほやされ、少人数学級やゆとり教育など、また遊びもネットゲームなどの人との関わりを持たない世界で行うことが多いなど、人と接して、ケンカし、喜び合い、悲しみをぶつける、楽しい思い出を作るなど、友人や家族などでこういった機会が減ってきているのである。
喜怒哀楽を、人間関係のなかでコントロールする術を、独断かもしれないが経験上、学ぶ機会が減ってきているので、こうした環境で育ってきた管理職層は、感情的になり、その感情を相手にぶつけてしまう。これがパワーハラスメントのひとつの原因と考えられる。感情をコントロールできない人材は、部下を持ってはいけないと言っても過言ではないと思う。

さて話を元に戻そう。中堅社員に、計画的な指導・育成を求めるのは筋違いであるが、面倒見を担ってもらうのは、キャリア形成上、悪いことではなく、私見だが、むしろ積極的に取り入れるべきと考える。なぜなら、仕事は、失敗して怒られたり、顧客から無理難題を押し付けられたり、謂れのない誹謗中傷を受けたりなど、どうしてもギスギスする場面が出てくる。これを未然に防ぐことはできないが、心や感情を癒し治療することは可能である。なお、読書や瞑想など、ひとりで対応することは困難な場合が多く、またひとりで対応しようとすると、悪い方へ向かってしまうことがあるので、ここは人の助けが必要である。

2015.11.24 面倒見.jpg

学生から、会社という社会の縮図へ入った後輩たちを、「面倒を見る」ことで、心や感情をコントロールする支えとなる機会を与えることは、中堅社員のキャリア形成上、重要なOJTであり、この経験を踏むことで、リーダーや管理職層へステップアップした際に、部下を指導する職責を果たす土台を学べるのである。
ただ、この段階では結果を求めてはいけない。中堅社員が後輩を面倒見ても、後輩の感情をコントロールすることはできないのである。コントロールするのは後輩自身で、結果責任を求めると、例えば顧客から責められて嫌気がさし退職してしまったなど、この退職責任を中堅社員に求めると、中堅社員も嫌気がさしてしまうといった、負のスパイラルが起きてしまう。

中堅社員に求めるとすれば、面倒を見るという行為にとどまるべきで、繰り返すが、結果責任を求めてはいけない。面倒を見る行為そのものが、会社から見て、後輩へのセーフティネットになるのである。


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